●技術のSカーブとは
技術の進歩は最初は緩やかに進み、途中から急激に伸び始め、最後はまた緩やかに進むという過程を表した曲線。
●出題された回(平成29年度春期以降)
令和4年度春期/平成30年度春期
技術のSカーブの説明
技術のSカーブとは、技術の進歩は最初は緩やかに進み、途中から急激に伸び始め、最後は限界に近づきまた緩やかに進むという過程を表した曲線のことです。
技術のSカーブは以下3つの段階に分かれます。
萌芽段階
萌芽段階は最初の段階で、新しい技術が導入されたばかりの時期です。そもそも新技術の受け入れが限られているため、改良点の発見も限定的になり技術の進歩は緩やかになります。
急成長段階
急成長段階では、技術がある程度進歩しており安定して動作します。また、企業や消費者に対する認知も広がっているので、どんどん技術が導入されます。そのため、技術の改良も急速度で進みます。
成熟段階
成熟段階では、技術は市場に飽和しています。既に飽和しているため、成長速度も鈍化します。この段階では、技術の進歩は効率化と低価格化に向けられます。
技術のSカーブで最も大切な段階
技術のSカーブで最も大切な段階は萌芽段階です。萌芽段階を乗り越えれば技術は成長の波に乗れるからです。
萌芽段階を上手く乗り越えて、技術の急成長を果たした例としてスマートフォンが挙げられます。初期のスマートフォンは高価で機能も限定的でしたが、技術を改良していき、マップや音楽プレイヤー等の多くの機能を実装した結果、多くの人の興味を引き、急成長しました。
過去問
応用情報技術者 午前試験
令和3年度春期問71
“技術のSカーブ”の説明として、適切なものはどれか。
ア 技術の期待感の推移を表すものであり、黎(れい)明期、流行期、反動期、回復期、安定期に分類される。
イ 技術の進歩の過程を表すものであり、当初は緩やかに進歩するが、やがて急激に進歩し、成熟期を迎えると進歩は停滞気味になる。
ウ 工業製品において生産量と生産性の関係を表すものであり、生産量の累積数が増加するほど生産性は向上する傾向にある。
エ 工業製品の故障発生の傾向を表すものであり、初期故障期間では故障率は高くなるが、その後の偶発故障期間での故障率は低くなり、製品寿命に近づく摩耗故障期間では故障率は高くなる。
正解は”イ”
技術のSカーブとは、技術の進歩は最初緩やかに進み、途中から急激に伸びて、終盤は限界が近づきまた緩やかになることを示した曲線なので、”イ”が正解です。